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2006年07月24日

時をかける少女と涼宮ハルヒとアフリカの爆弾

 筒井康隆の「パプリカ」が映画化されると聞いた。

ソニー・ピクチャーズ - パプリカ

 予告編を観る限り、原作のイメージと著しく異なる気がするんだが。
 どちらかといえば、似たようなシチュエーションである、コニー・ウィリスの「航路」に抱いてたイメージだ。
 ま、俺が勝手に抱いてただけだけど。
 筒井の「夢モノ」では「夢の木坂分岐点」の方が好きなんだが、これはさすがにアニメでも無理か。


 それにしても、ここのところ筒井作品の映画化ラッシュが凄い。
 「日本以外全部沈没」とか「時をかける少女」とか。

 前者は「日本沈没」に乗っかったということなのだろうが、後者は謎だ。
 テレビも含めると7回目の映像化になる。なにゆえこのタイミングなのか。

 実は、「時かけ」アニメ化を知ったのは先日観た「涼宮ハルヒ」のDVDに宣伝が入ってたからなのだが、角川はこの層を客として当て込んでるということなんだろうか。

 小説版も一応全部読んでみたが、確かに、「ハルヒ」はいにしえの角川SFジュベナイルシリーズの流れをくむ作品といってもいいと思う。
 ヒロインは女子高生だし、タイムトラベラーが出てくるというズバリな共通点もある。
 両方の作品を抱える角川がここぞとばかりに売り込むのも理解できなくはない。

 しかし、だ。

 「ハルヒ」は筒井作品でいうと、「時かけ」よりも「アフリカの爆弾」に近い気がするのだが、どうか。

 知らない人のために説明しておくと、「アフリカの爆弾」は、ミサイルを手に入れてしまったアフリカの未開部族を巡るスラップスティックコメディだ。
 ミサイルが男根崇拝のご神体扱いされたりする。「未来人」じゃなくて「未開人」な。

 あ、そこ、石を投げないで話を聞いてくれ。焼きミスしたCD-Rも禁止だ。なぜかキョン口調だ。

 もし、「ハルヒ」から「萌え」要素を完全に捨象して40字以内で要約しろといわれたらどうする?
 「メイド」や「ツンデレ」はもちろん、この作品を語るときに必ずついて回る「宇宙人」も「未来人」も「超能力者」もNGワードにしよう。

 どうだ? できたか?
 ちなみに、俺ならこうするね。

 「無自覚にとんでもない力を得てしまった人間を巡って周りが右往左往するお話」

 ほら、「アフリカの爆弾」だろ?

 あまりに味気ないとか大ざっぱにも程があるというツッコミは無しで頼む。
 「国語入試問題必勝法」の最終奥義、「色々あった」に比べたら全然マシじゃないか。

 え? ダメか? …まあ、今回は俺の負けを認めてやってもいい。ちょっと無理があったかもしれないしな。
 だがな。つまらないと感じた人ほど「萌え」に毒されてるってことかもしれないんだぜ、と逆ギレしておこう。ついでにキョン口調も終わりだ。


 「ハルヒ」ネタは毎日のように「はてブ」ランキングを賑わしているわけだが、「萌え」とか「オタク」なんかをキーワードにしたものばかりが目に付く(中身はあまり読んでないけど)。
 その辺の要素を取り除いた(そもそもそんなの書けねえ)独創的なネタを書いてひと山当てようという下心が途中から芽生えてきたものの、このような残念なオチにたどり着いてしまった。作戦失敗といえよう。

参考
筒井康隆ホームページ
めがっさにょろにょろ - 『涼宮ハルヒの憂鬱』ファンサイト

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投稿者 nagakushitan : 2006年07月24日 08:00 はてなブックマークに追加

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